2年次以降から始まるRTOCSという課題について
RTOCS(アールトックス)というのは、2年次後期以降からBBT大学で毎週出される課題の名前で、略さずに書くと「Real Time Online Case Study」である。 企業の課題や経済的な課題に対して、学生が解決策を提案するというもので、非常に難しいと評判だ。さて、難しい理由は3つある。 ■1つ目は「情報収集」 例えばある週には、「あなたが三浦工業の高橋祐二社長とすれば、低迷を抜け出すためにどのような突破口を見つけ行動するか?」というお題が出た。三浦工業という企業について詳しい人もいるかもしれないが、まったく知らないという人もいると思う。私はほとんど知らない状態で課題のテーマを見た。 この課題の解決策を提示するには、そもそもこの企業について知らないといけない。よく知らない企業の経営戦略をとやかく言える人などいないだろう。また、情報収集とは言っても、どういった情報が必要なのかをよく見極めて取り組まないと、いくら時間があっても足りないはずだ。 そういうわけで、必要な情報を限られた時間の中で収集するというのはそんなに簡単ではないと思う。 ■2つ目は問題発見の難しさ である。今回の例で見てみると、三浦工業が低迷している「本質的問題」を発見しなければならない。売上が伸びないのであれば、なぜ伸びないのか、考えられる要因は色々あるが、その本質的な問題を見つけるのは簡単ではないだろう。 企業によって状況が異なるからだ。簡単であれば、経営戦略の本など不要だし、コンサルなどいらないはずだ。 ■3つ目は「解決策の提示」 本質的な問題を発見したとして、そこからどう解決策を提案するか。いくら本質的な問題を発見しても、「・・・で、どうすればいいの?」と聞かれたら答えなければならない。問題は分かったけどどうすればいいか分からないのでは課題を解決したことにはならない。 ちなみにこのRTOCSという課題のポイントは、「正解がない」ことと「当事者意識」である。今回の三浦工業の例で言えば、この企業がどういう戦略をとるのが正解かは誰も分からない。 大前学長が翌週に解説の講義を行うが、それが必ず正解というわけでもないし、実際の経営陣も絶対の正解など分からないだろう。今まで学校で課されてきたような暗記モノの課題全く異なる。 当事者意識というのは、常に「もし自分が●●だったら